求人票に隠されたカラクリは、こう見敗れ!

      2016/08/15

求人票に隠されたカラクリはこう見敗れ
「新卒採用は学生と会社の騙し合い」学生も会社もホンネを出さずに、いいところだけ見せようとします。そのため、何度も説明会に参加し、十分に企業研究を重ねた会社が、とんでもなくブラックだったなんてことも起こります。ここでは騙されないための求人票の見方を紹介します。

求人票はカラクリだらけ

下記の求人票は、筆者が採用担当者として勤務していた企業の新卒求人票の一部を抜粋したものです。一見好条件に見えそうですが、このようなカラクリが存在しています。

初任給 総合職

◇大学院・大学卒 195,000円+赴任手当【20,000円~50,000円※赴任地により異なる】※別途資格手当あり

昇給 年1回
賞与 年2回
休日・休暇 休日 年間休日110日 ※夏期・冬期休暇含 休暇 有給休暇(入社6か月経過で10日付与、最大20日付与)、慶弔休暇
 

福利厚生

 

各種社会保険

交通費支給(上限30,000円迄)

退職金制度あり(勤続3年以上)

制服貸与

勤務時間 (1)総合職 8:30~17:30 ※配属部署に準じる

収入のカラクリ

初任給

総合職を例にすると、大学院・大学卒の初任給は195,000円。東洋経済オンラインによると、上場企業の2015年の大卒の初任給は約20万円でした。この会社は非上場ですが、上場企業に近い初任給と言えます。しかし「年収となるとどうか」と言う点に注意を払わなくてはなりません。

各種手当

通常は「住宅手当」や「資格手当」が真っ先にかかれるものですが、この会社では赴任手当が一番先に書かれています。何故なら現在急ピッチで全国展開を進めているため、採用した人材を各地に振り分けたいと言う意図があるからです。

初任給は確かめても、手当を気にする人は多くいません。そこがカラクリなのです。入社後に急な移動に難色を示しても、「求人票にしっかりと書かれていたでしょう」と言われ、従わせる狙いがあるのです。

資格手当

この会社は専門職が求められるため、資格の内容によって手当が支給されますが、その額は1,000円~3,000円程度。複数保持していても最高10,000円です。本来はそうした細かな額も書くべきですが、見た瞬間「安い!」と思われるので、あえて記載しません

昇給

何年働いても初任給とあまり変わらない会社もあります。それは「ベースアップ額」が低く設定されているからです。ベースアップ額は会社別に設定され、勤務年数や役職などによって段階的に数値化されていますが、1年間働いて昇給するのが数百円と言うところもあります。この会社の場合、ベースアップは500円程度。翌年の給料は年間6,000円しかアップしません。

賞与

求人票には、「賞与」と表記していますが、実際には「成果報酬」と言って、業績に応じて12月と4月に報酬が支給されます。一般的には「会社全体の業績」が反映されるのに対し、この会社は「事業所ごとの業績を反映」だそうです。最初の話では「基本給の1.5~2.0倍」と聞いていましたが、実際に支給されたのは、いずれも基本給の6分の1程度。「騙した」と言われても仕方がないレベルです。

支給額が低い理由を「全体的に新規事業の稼働が低迷した」と説明されましたが、それであれば「事業所ごとの業績を反映」という基準と矛盾しています。後で聞いた話によると、毎年何らかの詭弁が繰り返されているそうです。

img_34a2c91a1ef3b7f10ec129910be18c1c66197出典:http://diamond.jp/articles/-/89976

<アドバイスポイント>
初任給が195,000円なので、年収は2,340,000円。成果報酬は1回32,500円として、2回合わせても65,000円。年間支給額は2,405,000円で、そこから保険料や税金がひかれますので、年収はたった200万円程度で、月々の手取りは約16万円。

交通費は支給されますが、住宅手当などは一切ないので、ここから家賃や食費などの生活費を引くと、何も残りません。初任給だけでなく、手当や賞与も含めた年収で選びましょう。

休日・休暇のカラクリ

休日・休暇

この会社の年間休日は110日です。内訳を書いていませんが、1か月間に9日間の休日+8月と1月は、夏期・冬期休暇が各1日だけプラスされるため、合計110日となるのです。

休日と同じような言葉に「有給休暇」があります。入社6か月経過で10日付与、最大20日付と書かれていますが、これは法律で決まっていることなので、どの会社も同じです。

継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

長期休暇

当然のことですが、これくらい休みが少ないと旅行などは絶望的。しかも3連休以上の休みを取得する場合は、上長の許可が必要と言う不文律があり、休みが取りにくい雰囲気が蔓延していました。

病欠について

社内規定に傷病に関する休暇が規定されていないため、病気やケガで入院などをした場合は、まず有給休暇を使い、それを超えた場合は欠勤になります。業務上で生じたケガについては、通常労働災害が適応されますが、「因果関係が明確でない」と却下される場合もあります。そうなると、休みも治療費も泣き寝入りするしかありません。

<アドバイスポイント>
年間休日110日では、完全週休二日制で祝日も休みの会社と比較すると、年間20日くらい余分に働かされている計算になります。「多く働けることは、それだけスキルアップにつながる」と考えている人以外は、給与と同様に休日数は重視すべきです。

以上、求人票に隠されたカラクリとチェックポイントでした。給与や休日のことをあれこれ聞くのは気が引けますが、入社後に「こんなはずではなかった」と悔やんだり、早期に辞めてしまうくらいなら、ズバリと聞いた方がいいと思います。隠したり、誤魔化したり、逆ギレする会社は、ウラがありそうなので、こちらから願い下げです。

自分の価値を正当に評価してくれる就職先を選んでください。

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