安易に考えると失敗する!?第二新卒の転職の落とし穴

      2016/05/18


厚生労働省の調べによると、大卒新入社員の3割以上が、3年以内に退職しています。「ミスマッチの会社に3年も務めるのは時間の無駄、若いうちに新天地を目指してシフトした方がいい」と思う人は多いでしょうが、転職が成功するとは限りません。

ここでは、安易な転職で失敗しないよう、実体験をもとにアドバイスさせていただきます。

筆者が第二新卒を選んだ理由

入社早々退職を考えていた

筆者が最初に入社したのは東証一部上場のアパレル会社でした。入社した理由はファッションに興味があったわけではなく、いろいろな会社から内定をもらった中で、一番大手だったからです。

仕事内容は百貨店に必要な商品を送る物流のような単調な業務です。「石の上にも3年」と言うことわざがありますが、上司を見ていると、「これが辛抱し続けた成れの果てなのか?」「こんなことを一生やるのか」とバカらしくなって、入社早々辞めたくなりました。

第二新卒と言う言葉に踊らされて

当時は終身雇用制度が崩れ始め、転職もネガティブなイメージが薄れていました。当時は、リクナビNEXT、リクルートエージェント、DODA、BIZREACHなどの転職サイトはなく、転職の情報はDODAなどの紙媒体が頼りでした。

転職することを「DODAする」、入社早々に転職することを「第二新卒」などと呼ばれ始め、転職はワークスタイルの一つとして認知し始められたのです。

「人生は一度きり。我慢し続けるよりも、自分の夢に向かって進んでいった方がいい」もともとやりたかった業種が諦めきれず、休みの日を利用して大学生に紛れて就職活動を行っていました。結果としては数社の最終選考に残ったもののすべて不採用でした。

すでに退職届を提出していたため、わずか3か月で職も夢も失ってしまったのです。

<アドバイスポイント>
短期間での退職は、その後の転職に大きく響きます。「見る前に飛べ」ではなく、採用が決まってから退職するなど、計画性を持ちましょう。

第二新卒の転職は簡単ではない

一生貼られ続けるレッテル

学校を卒業して一度就職した者が3年以内に転職することを第二新卒などと呼ばれていますが、1年足らずで辞めるような者に寛容な会社はありません。履歴書を見たとたんに、すぐに辞める人と言うレッテルが貼られます。

転職回数が増えるに従って、貼られるレッテルの数も多くなります。レッテルを剥がして内定を取り付けるには、よほどの説得力が必要です。

第二新卒が身に着けているものは何もない

第二新卒には、ビジネススキルがありません。ビジネスマナーも身についていません。職務経歴書に書けるだけの実績もないのです。

あるのは根拠のない「やる気」と「若さ」のみ。恰好をつけたところで、第二新卒など会社にしてみれば新入社員に毛が生えた程度。それでも第二新卒を採用する理由は下記のとおりです。

・ほかの企業のカラーに染まりきっていない
・辞めてしまった第二新卒者の補充
・新卒で予定数を確保できなかった穴埋め

<アドバイスポイント>
求められているのは若さであり、今後の伸びしろです。前の職場での不満を愚痴るのではなく、「前職で何を得たのか」「新しい職場で何をしたいのか」をしっかりと伝え、会社に貢献する姿勢を買ってもらわなくては採用されません。

第二新卒の転職理由

「第二新卒の退職理由ランキング」のサイトから転職理由を表にしてみました。トップ3が転職理由にふさわしいものなのか検証してみましょう。

順位 退  職  理  由 パーセント
1位

2位

3位

4位

5位

6位

7位

8位

9位

10位

キャリア上での成長が期待できない

残業が多い

自分が望んでいた業務ではなかった

労働条件や福利厚生が不十分

営業方針や社風に納得がいかない

休日が少ない

社内との人間関係がうまくいかなかった

企業やその業界に将来性が

正当に能力を評価されない

体力的についていけなかった

25.5%

24.4%

19.8%

18.5%

14%

10%

8.8%

8.3%

7.2%

6.7%

出典:http://kutikomi-job.com/daini2-job-retirement-ranking

■キャリア上での成長が期待できない

上司や先輩から言わせれば、「社会人経験の少ないヒヨっ子が生意気なことを言ってるんじゃねーよ」と言われるでしょう。仕事の基本は同じ姿勢で同じことを続けるルーチンワークです。

<アドバイスポイント>
何十年も同じことを繰り返す中で、コミュニケーション能力や営業力、ビジネスマナーと言った社会人に必要なスキルが身につきます。

■残業が多い

社会人になれば、学生時代に比べると確実にプライベートな時間は減ります。ほとんどの会社は定時に退社できることは少なく、多少なり残業が強いられます。

有償であれば仕事と割り切ることができますが、ほとんどがサービス残業。上司が帰らないから自分も帰れないなど、無意味な居残りもあります。決して良いことではありませんが、日本の企業の風習と言えます。

<アドバイスポイント>
サービス残業ありきの日本経済の中で、本当に残業なし、残業代全額支給の会社を見つけるのは難しい。

■自分が望んでいた業務ではなかった

筆者の退職した理由がこれです。先輩に「最初から嫌なら入ってくるな。お前が内定したことで本当に入社したかった奴が不採用になっていたかも知れないんだぞ」と怒られました。さらに転職したからと言って、自分が望んでいた業務や職種に就ける保証はどこにもないのです。

<アドバイスポイント>
希望の職種が本当に適職なのか? 現在の会社で移動はできないのか、どうしても希望の職種に就けない場合どうするのかなど、多角的に判断する必要がある。

職種を変えるのは第二新卒までに完了する

第二新卒以外の転職理由の1位は、「ほかにやりたい仕事がある」でした。しかし長年業界に身を置いた人が別業種に転職するのは難しいことです。何年かキャリアを積んだ後に 未経験の業種に転職する場合、社内的地位も報酬も大幅にダウンします。

<アドバイスポイント>
もし「業種が自分に合っていない」と思うのであれば、第二新卒のうちにチェンジする。

やりたい仕事がない中でどのように仕事を探せばいいのか

「今の会社は嫌だけど、他にやりたいこともない」と言う人も多いと思います。そのような人は、転職するたびにグレードの低い同業他社に流れる傾向があります。それでは最初の会社を辞めた意味がありません。

<アドバイスポイント>
明確な職種は思いつかなくても、「物を作りたい」「人に感謝される仕事がしたい」など、潜在的な希望はあるはず。自分の適性をキャリアコンサルタントに相談してみるのもよい。

残念ながら次々に転職するのは、転職癖がついた飽きっぽい人と見られるのは事実。安易な理由での転職は失敗のもと。最低限今の会社でビジネスマナーを身に着けようとか、売り上げを伸ばす方法を構築しようなど、目標を達成してから転職を考えるべきだと思います。

キャリアアップのための転職は、余人をもって代え難いスキルでもない限り難しいことをしっかりと頭に入れて、キャリアパスを描いてください。

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