もっとも採用が多い公務員!一般陸上自衛官候補生

      2016/06/09


数ある公務員の中で、もっとも採用人数が多いのが陸上自衛官の一般自衛官候補生(二等陸士)です。平成27年度実績を見ると、男子の採用は5,750名、女子は約500名と他の公務員は比較にならない人数を採用しています。しかも一般自衛官候補生は1年を通して募集しているので、秋からの入隊もOK。

ここでは一般自衛官候補生について「体験談」を交えてお話します。

一般自衛官候補生の応募資格

一般自衛官候補生の応募資格は、「18歳以上27歳未満の者」です。「高卒以上」の条件がなく、中卒または高校中退でも受験することができます。

処遇は、「所要の教育を経て、3か月後に2等陸士に任用。陸上(技術系を除く)は1年9か月を1任期として任用され、引き続き自衛官として勤務を希望する場合は、選考により2年を任期として継続任用される」とあります。

安定した職に早く就きたいと言う人には最適だと思います。
自衛隊ホームページ

一般自衛官候補生採用試験

「自衛隊は健康な人であれば誰でも入れる」とか、「学科試験に鉛筆でうっすらと答えが書いてある」などのウワサがありましたが、不景気の影響や震災での活躍で注目されるようになり「大卒二士」などと呼ばれるように、受験者数のレベルが上がっているため、以前のように無理やり入隊させるようなことはなくなりました。

・一次試験

適性試験 30分
国語・数学・社会の3科目 40分
作文 30分

試験問題は中学生レベルですが、出題傾向を知るために問題集を買って勉強しておきます。作文は考えを問う問題が出題されます。「災害派遣についてどう思うか」「自衛隊に入ってやってみたいこと」など、自衛隊について出題される傾向がありますので、あらかじめ考えをまとめておくとよいでしょう。

自衛隊のポリシーに合わない「国家批判」「自衛隊批判」はご法度。「自衛隊の必要性」を強調してください。
自衛隊ホームページ

<アドバイスポイント>
作文は自分の考えを盛り込むことだけでなく、読みやすさを重視します。「災害派遣についてどう思うか」と言うタイトルなら、①災害派遣で自衛官はどのような活躍をしていたのか ②それに対して自分はどう感じたのか ③自分が自衛官になったら、どのような活躍をしたいのかの3つについて要領よく書くこと。

・二次試験

一次試験通過者のみに面接試験と身体検査があります。面接試験は自衛隊だからと言って特別なものではありません。面接官はあなたのことを知るために質問し、あなたはそれに答える。「採用面接は会話の場である」と言うことを意識して、「自分に何ができるのか」「何をしたいのか」をきっちり伝えるべきです。

身体検査は、視力や肺活量、身長、胸囲などが調べられます。「体力測定」ではないので、基準を満たしていれば問題ありません。

<アドバイスポイント>
・面接は志望動機だけで終わらず、「自分がどう貢献できるか」まで言い切る。
・体力測定はないが、入隊後に急激な体力増強を求められるので覚悟する。

実録・自衛隊入隊

バブル崩壊の余波が日本中を包み、再就職がままならなかった頃、筆者は陸上自衛隊に入隊したことがあります。大卒のため幹部候補生を希望しましたが、時期的に募集していないとのことから一般隊員として入隊し、昇進試験を受けることを勧められました。

・丸坊主の洗礼

ある秋に入隊の日を迎えました。駐屯地に行くと、ロッカーだけで仕切った大部屋に案内されました。ここで10名ほどがひとつの班を形成し、共に行動します。まわりを見渡すと18歳から20歳が多く、当時26歳の筆者が最年長でした。

次に頭髪検査が行われ、自衛官になるための儀式のように、ほぼ全員が駐屯地内の理髪店で丸坊主にされます。

・ラッパとともに起床

新入隊員はラッパの音で目を覚まします。「起床!」の叫び声とともに素早く作業着に着替えて5分以内にグランドに集合。点呼を取り、腕立て伏せなどの運動を行います。それが終わったら駆け足で食堂に向かい、決まった時間内に飯を胃袋にかっ込みます。そのあとも駆け足で官舎に戻り、布団を整え、洗面を済ませて訓練に備えます。

・恐怖の台風

就業時間は5時までですが、新入隊員(自衛隊では新兵と呼ぶ)にくつろぐ時間はありません。決まった時間に風呂に入り、作業着にアイロンをかけ、靴をピカピカに磨きます。官舎の掃除も丁寧に行わなくてはならなく、班長である三等陸曹が白い軍手をはめて、汚れが残っていないかをチェックする徹底ぶり。

布団や個人のロッカー内の乱れもチェックされ、少しでも乱れていれば、さらにメチャメチャにされる「台風」と言う罰則が待っています。

・徹底した階級社会

自衛隊に年齢は関係なく階級がものを言います。筆者より若い22、23歳の若い班長もいましたが、当然絶対服従です。「有事の時には命の危険を顧みない兵隊に頭はいらない」幹部はそう言い放ちました。

災害救助やさっぽろ雪まつりの雪像製作は自衛隊の本業ではありません。先制攻撃こそしかけないものの、まぎれもなく自衛隊は軍隊に近いのです。

・団体行動・連帯責任

一人のミスが部隊の全滅を招く自衛隊組織では、団体行動・連帯責任は必須です。外出の際も班全員で行動、誰かが過ちを犯せば全員が終わりなき腕立て伏せと言うシゴキに逢います。そのため、少しぼんやりした性格の人は、教育期間中に班員からからかわれる(イジメ?)を受けることがあります。

筆者の場合、在籍期間は約2か月。そのうち1か月は山岳訓練中のケガにより入院。訓練は先に進んでしまったため、コマーシャルのように短い自衛隊生活を終えたのでした。

自衛隊に入隊するなら今がチャンス

特別職国家公務員と言う身分と充実した福利厚生(筆者が少し在籍しただけでも退職金が出た!)により、志望者が増加した一般自衛官候補生ですが、近年は凄惨な被災地への派遣や安全保障法制の影響か、自衛隊志願者が減少しているようなので、入隊を希望する方は今がチャンスです。

<一般陸上自衛官候補生採用状況>

平成21年
性別 応募者数 採用者数 倍率
12,509 869 14.39
2,131 250 8.52

 

平成22年
応募者数 採用者数 倍率
14,930 3,638 4.10
2,379 499 4.77

 

平成23年
応募者数 採用者数 倍率
1,4695 2,470 5.95
2,564 500 5.13

 

平成24年
応募者数 採用者数 倍率
21,779 7,127 3.06
2,957 523 5.65

 

平成25年
応募者数 採用者数 倍率
19,916 5,908 3.37
2,664 499 5.34

http://homepage1.nifty.com/YST/jieitai/data2.html

<アドバイスポイント>

自衛官に向く人(筆者の独断)

・自衛官と言う仕事に使命感を持っている人(アツイ人がいます)
・母子家庭などで親に負担を掛けたくない人(実際に多い)
・お金を貯めたい人(レベルはともかく家賃、食費、医療費無料)
・資格取得を目指している人(戦車の運転や武器の管理など、一般社会では役に立たないものも多い)

自衛隊に向かない人(筆者のことです)

・団体生活が苦手(いつも協調性がないと言われている)
・命令されるのが嫌い(上官に不満がある場合は異議申立書が必要だとか)
・運動が苦手(懸垂は1回もできない)
・深読みしがち(「何も考えるな」と言われたら、その発言の意図を考えてしまう)

一般自衛官候補生は任期がありますが、そのまま継続することができますし、任期の定めのない陸曹や幹部候補の試験を受けことも可能。また、任期満了とともに民間企業に転職する人もいます。自衛隊でも職業あっせんを行っていますし、リクナビNEXT、リクルートエージェント、DODA、BIZREACHなどの転職サイトを利用する方法もあります。

自衛官は、病気などの理由やよっぽどの理由が無ければ就職が決まっていない状態では退職できないようですので、納得のいく就職先を見つけてください。

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